
近年、日本でもクリスマスのアイテムとして「アドベントキャンドル」に注目が集まっています。
この記事では、アドベントキャンドルの持つ意味や歴史的な背景をはじめ、火を灯す正しい順番、自宅で簡単にできるおしゃれな飾り方や手作りアイデアまでを詳しく解説します。
アドベントキャンドルとは?

アドベントキャンドルは、単なるクリスマスの飾りではなく、キリスト教の伝統的な習慣に基づいた意味を持つアイテムです。
まずは、その背景について解説します。
アドベント(待降節)の意味と期間
「アドベント(Advent)」とは、ラテン語の「Adventus(到来)」に由来する言葉で、イエス・キリストの降誕(クリスマス)を待ち望む期間を指します。日本語では「待降節(たいこうせつ)」や「降臨節(こうりんせつ)」と呼ばれます。
アドベントの期間は、クリスマスの4週間前の日曜日からクリスマスイブ(12月24日)までと定められています。
毎年日付は変わりますが、2026年の場合は11月29日(日)からアドベントが始まります。この期間中、日曜日を迎えるごとにキャンドルに火を灯していくのがアドベントキャンドルの習わしです。
なぜキャンドルを灯すのか【由来と歴史】
アドベントキャンドルの発祥は、19世紀のドイツと言われています。
ハンブルクの牧師であったヨハン・ヴィヒェルンが、クリスマスを心待ちにする子どもたちに「あと何日でクリスマスか」を分かりやすく伝えるため、車輪にキャンドルを立てて火を灯したのが始まりとされています。
また、日照時間が短くなる冬の北欧やヨーロッパにおいて、暗闇を照らす「光(希望)」は非常に重要な意味を持っていました。
キャンドルの温かい光は、キリストの誕生という世の光を象徴するものとして、現在まで大切に受け継がれています。
アドベントキャンドルの4つの色と意味
アドベントキャンドルは一般的に4本のセットで構成されています。
伝統的な色合いは「紫3本・ピンク1本」ですが、現在ではインテリアに合わせて白や赤などのキャンドルを使用する家庭も増えています。
それぞれのキャンドルには象徴する意味があり、週を追うごとに込められたメッセージが変わります。
1本目:予言のキャンドル(希望)
第1主日(最初の日曜日)に灯す1本目のキャンドルは「予言のキャンドル」と呼ばれ、「希望(Hope)」を象徴します。
救い主が誕生するという旧約聖書の予言と、新しい光が世にもたらされることへの期待が込められています。
2本目:天使のキャンドル(平和)
第2主日に灯す2本目のキャンドルは「天使のキャンドル」と呼ばれ、「平和(Peace)」を象徴します。
キリストが誕生する際、天使たちが平和の訪れを告げたことに由来しており、心穏やかにクリスマスを迎える準備を整える意味合いがあります。
3本目:羊飼いのキャンドル(喜び・ピンク色)
第3主日に灯す3本目のキャンドルは「羊飼いのキャンドル」と呼ばれ、「喜び(Joy)」を象徴します。
伝統的な配色において、この3本目だけは喜びを表す「ピンク色(またはばら色)」が用いられます。
クリスマスが目前に迫り、待ち望む喜びが最高潮に達していることを表現しています。
4本目:ベツレヘムのキャンドル(愛)
第4主日(クリスマス直前の日曜日)に灯す4本目のキャンドルは「ベツレヘムのキャンドル」と呼ばれ、「愛(Love)」を象徴します。
神が御子を世に遣わした愛と、キリストが誕生した地であるベツレヘムへの思いが込められています。
中央の白いキャンドル(キリスト)【クリスマスイブ・当日用】
家庭や教会によっては、4本のキャンドルの中央に、5本目となる白いキャンドルを配置する「アドベントクランツ(リース)」の形式をとることがあります。
これは「キリストのキャンドル」と呼ばれ、クリスマスイブの夜、あるいはクリスマスの当日に初めて火が灯されます。
アドベントキャンドルの火を灯す順番
アドベントキャンドルは、毎週日曜日に1本ずつ火を灯す数を増やしていきます。
- 第1主日(1週目): 1本目のキャンドルだけに火を灯します。
- 第2主日(2週目): 1週目に使ったキャンドルと、新しい2本目のキャンドルに火を灯します。
- 第3主日(3週目): 前週までの2本に加え、3本目(ピンク色)のキャンドルに火を灯します。
- 第4主日(4週目): 最後の4本目にも火を灯し、4本すべてのキャンドルが明るく輝きます。
食事の時間や、家族がそろうリラックスタイムに灯すのが一般的です。

古いキャンドルほど短くなっていくため、クリスマス当日に向けて徐々に階段状の美しい姿になるのも魅力の一つです。
おうちで楽しむ!アドベントキャンドルの作り方と飾り方
専用のセットがなくても、アドベントキャンドルは身近なアイテムで手軽に楽しむことができます。
ここでは、ご自宅のインテリアに合わせた飾り方のアイデアをご紹介します。
市販のキャンドルとリースを使った簡単アレンジ
モミの木やヒイラギを使ったクリスマスリースの中央に4本のキャンドルを立てる「アドベントクランツ」は、最もクラシックで美しい飾り方です。

市販のテーパーキャンドル(細長い棒状のキャンドル)を4本用意し、リースの内側にキャンドルスタンドを並べて配置するだけで、本格的な雰囲気を演出できます。
キャンドルの足元に松ぼっくりやシナモンスティック、リボンを添えるとより華やかになります。
100均アイテムで手軽に手作りする方法
コストを抑えて手作りを楽しみたい方には、100円ショップのアイテムが活躍します。
小さなガラスのキャンドルホルダーを4つ用意し、中にティーライトキャンドルを入れます。
それらを横長のウッドトレイやプレートに並べ、隙間にフェイクグリーンやオーナメントボールを敷き詰めれば、コンパクトなアドベントキャンドルの完成です。
ダイニングテーブルの邪魔にならないため、日常使いにも適しています。
火を使わないLEDキャンドルでの楽しみ方
小さなお子様やペットがいるご家庭では、LEDキャンドルを取り入れるのがおすすめです。
最近のLEDキャンドルは、本物の蝋のような見た目であったり、炎のゆらぎがリアルに再現されていたりと、非常にクオリティが高くなっています。
火災の心配なく安全にアドベントの期間を楽しむことができます。
まとめ:アドベントキャンドルで特別なクリスマスを
アドベントキャンドルは、クリスマスまでの4週間をただ慌ただしく過ごすのではなく、希望や平和、喜び、愛といった意味を確認しながら、心豊かに過ごすための伝統です。
厳密なルールにとらわれる必要はなく、市販のセットを購入したり、100均のアイテムで手作りしたり、あるいは安全なLEDキャンドルを使ったりと、ご自身のライフスタイルに合った方法で取り入れてみてください。